創部からわずか5年でセンバツ優勝。佐久長聖高校・野々垣武志監督がPL野球から受け継いだもの

このインタビューはある熱血監督の記録である。女子高校野球界においてまったく無名のチームがPLの中から健全な精神を培い、わずか5年で全国優勝を成し遂げた奇跡を通じて、その原動力となった信頼と愛を、あますところなくインタビューしたものである。
村瀬秀信 2026.04.27
読者限定

4月4日土曜日の東京ドーム。ベイスターズが初回に電光石火で3点を奪うも巨人があっさり8点を取って大逆転勝ちした4時間越えのロングゲーム。

この試合終了から2時間が経とうとしていた午後8時、同地にて、もうひとつの熱戦がはじまろうとしていた。

第27回全国高校女子硬式野球センバツ大会決勝戦。

前年に続き決勝にコマを進めた優勝候補の大阪・履正社高校に対するは、3連覇中の王者・神戸弘陵を準決勝で破った創部5年目で初の決勝となる長野・佐久長聖高校。

初回から点の取り合いとなったシーソーゲームは、最終回に大逆転で佐久長聖高校が、初めての全国優勝を果たした。

初の全国優勝を果たした長野県・佐久長聖高校女子野球部。直前の横浜×巨人戦から残ってこの大熱戦を観戦し心を打たれた人もたくさんいたという。

初の全国優勝を果たした長野県・佐久長聖高校女子野球部。直前の横浜×巨人戦から残ってこの大熱戦を観戦し心を打たれた人もたくさんいたという。

この女子高校野球の新鋭を率いる監督は、元西武→広島→ダイエーとわたり歩いた元プロ野球選手・野々垣武志氏(54歳)。

PL学園から89年ドラフト外で西武へ入団。95年トレードで広島へ。2000年再びトレードでダイエーへ。02年に戦力外となり台湾へ行くも半年で引退。その後は清原和博の運転手、桑田真澄の野球教室の手伝いなども務めた。

PL学園から89年ドラフト外で西武へ入団。95年トレードで広島へ。2000年再びトレードでダイエーへ。02年に戦力外となり台湾へ行くも半年で引退。その後は清原和博の運転手、桑田真澄の野球教室の手伝いなども務めた。

PL学園時代には同じショートの2つ上に立浪和義、1つ上に宮本慎也と「ノックでもエラーしたところを見たことがない」という特殊な環境で育ち、広島時代には金本知憲から「タケシみたいに野球ができればいいな」と言われたというほど、野球少年がそのまま大人になったような野球人。流れ流れて辿り着いた長野の地に新設された女子硬式野球部の監督に招聘され、わずか5年で全国優勝を果たした野々垣に、頂点に到るまでの話を聞いた。

「何もしていないように見える」ことが指導者としての方針

ーー全国優勝、おめでとうございます。

野々垣「ありがとうございます。いやぁ……なんでしょうね。不思議な感覚です。優勝できたことも、技術とかうんぬんではなくて、本当にチームワークなんですよ。あとは覚悟……ですかね。みんなの覚悟が最高の結果につながってね。子どもたちがよろこんでいる姿が何よりうれしかったですよ。本当に誇りに思います」

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4474文字あります。

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
山本祐大のトレードによせて
読者限定
東京でベイスターズファンのための店をやるということ
サポートメンバー限定
大矢さんと相川亮二と2008年のX
サポートメンバー限定
PLチャーハン
サポートメンバー限定
野球の神様とベイスターズの歴代神試合7選
サポートメンバー限定
高松延次さんのこと
サポートメンバー限定
【号外】おかえりなさい! ベイスターズが開幕しました
読者限定
田中健二朗投手 野球人生年表 完全版