2024年 横浜優勝と親子丼とかつ丼

5月15日に新刊が発売となりました。「令和になっても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている」(講談社文庫)。「気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている」シリーズの第四弾になります。今回は発売記念に収録コラムの中から「親子丼とかつ丼と横浜優勝」をletter特別バージョンで公開いたします。
村瀬秀信 2026.05.18
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横浜優勝

しかも、横須賀の42年ぶりに続いて、横浜DeNAベイスターズの一軍までもが26年ぶりの日本一になってしまったのだ。横須賀と横浜の優勝がいっぺんに来るなんて、盆と正月どころの騒ぎではない。ブラッグスとローズがいっぺんに来日するぐらいの横浜開港牛込フェスティバルであると言えるだろう。

いや、本来なら今年はとっくに終わっていたのである。一軍のペナントレースは3位で終わり「今年も残念だったね」とひと通り慰め合い終わったところから、まさかのクライマックスシリーズで阪神に勝ち、優勝した巨人をうっちゃり、日本シリーズに進出したのだ。

パ・リーグ優勝は貯金42の最強ソフトバンクホークス。日本シリーズ12連勝中のセ・リーグを殺すのが大好きな猛禽類である。

片やベイスターズはペナントレースで貯金2の3位だ。夢を見る事すら憚られるような、史上最大の格差日本シリーズである。いやいや、さすがにね。最初のハマスタで手も足も出ずに2連敗した時には、4連敗だけしなければ……ぐらいの無欲さで福岡に乗り込んだのだが、第3戦の勝利で勢いをつけてしまったベイスターズは伝統の「ノーモーションからの勢いのみ野球」で福岡で3連勝。王手をかけて再び横浜に戻ると、最終戦も大勝してあっという間に日本一へ駆け上ってしまった。

 完全に流れと勢いを掴んでの神懸かり的な勝利。勝因は何か考える。そうだ。やはり縁起担ぎが効いている。

 90年代中頃、神奈川の秘宝ハングリータイガーではブラッグスハンバーグという幻のメニューが存在した。スペアリブ+ハンバーグで「食べれば君もブラッグス」という言葉の意図は不明だが、とにかく縁起がよさそうな食べ物を食べて以来、筆者は試合前に縁起を担がずにはいられなくなっていた。ちなみにブラッグスはこのメニュー発売の直後に骨折して帰国している。

いつもは大事なゲームの前に縁起を担いでかつ丼を食べてきたが、今年は二軍がソフトバンクを破って日本一になったことで、この期間、人生で最も親子丼と真剣に向き合ったのがよかったのか(一軍、二軍が勝つことを親子優勝というのです)。

まず巨人とのCS最終決戦では、東京ドームのフードコートにある『鶏味座YATAI』に世話になった。名物「究極の親子丼」は、大きめにカットされた柔らかジューシーな鶏肉とトロトロの卵が絡み合う、投打のバランスが取れたまさに究極。今思い返せば、山椒がピリリと効いた「究極の山椒親子丼」のおかげで、苦手としていた巨人に対し、CS4勝のうちサンショウ分は取れたと信じている。最後の1勝、逆王手をかけられ追い込まれたところからチキンと勝ち切ったのは、森、梶原ら若い力と牧のおかげ。

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